スローアングラーズライフ ~atlantic night tales~ 世界初のグラス竿と デコーディングコードは! シェイクスピア・ワンダーロッド SS603系

世界初のグラス竿と デコーディングコードは! シェイクスピア・ワンダーロッド SS603系

昨日の続きです。
 ↓

ポンコチ・スピニング・イズ・ビューティフル

西洋式釣り竿の革新は、スプリットバンブー、グラス、カーボングラファイトと素材の進化とともに進みました。


以前の記事で、明治時代に日本の丸竹によるルアー竿が米国に輸出されていたという記事を書きました。


その時に重いスプリットバンブーより軽い丸竹の竿は、後の中空グラスロッドのルーツではないか・・・、という考察(私見)も書き加えました。


中空グラスロッドは1947年米国シェイクスピア社により製造が始まったのです。


第二次世界大戦中にグラスファイバーを研究しているハワード博士(Dr Arther M. Howald)が、ポリエステル樹脂にグラスファイバーを浸して中空グラスのブランクを作り上げる技術を確立しました。


シェークスピア社はその技術を採用し、ワンダーロッド(Wonderod)として発売を開始したそうです。




製品の品質保障制度も確立し、商品に欠陥があった場合や、通常使用でロッドが壊れた場合は無償で修理交換を謳ったそうです。


更に、使用者の事情による竿の損傷でも、購入から5年以内であれば、4~6ドルで新品に交換するという保証まであったそうです。

(後に、セージやオービスでも、同じような保証がありました。)


その後、カーボングラファイト素材による革命、シェイクスピアのグラス竿はアグリースティックというグラスとカーボンの複合素材に軸足を切り替えたこともあり、ワンダーロッドは製造を終えます。

(以降のオールグラス竿は、日本製や韓国・中国製の下位モデルのみとなっていきます。)


ワンダーロッドは日本では1070年から1980年頃まで販売されていました。
ルアーブーム黎明期とグラファイトの素材革命の中にあって、おそらく不人気だったと思います。


それでも、ワンダーロッドは、最近、一部マニアの間で1950~60年代のフライロッドやベイトロッドが見直され、米国から中古を輸入して販売さているようです。


ワンダーロッドは、1970年以前の当時は40~50ドルもしたそうです。


1ドル360円の時代ですから、1万5千円から2万円。輸入されれば、国内ではそれ以上の価格で売られていたのでしょう。


円高の時代になってからは1万円前後まで下がったようです。


そんな長い歴史を持つワンダーロッドですが、国内では、フライロッドやベイトロッド、シングルハンドスピニングだけではなく、ダブルハンドのスピニングが極僅か、一部の地域で使われていたようです。

(おそらくイトウ釣りのできる地域だと思いますし、ABUやハーディー、フェンウィックより廉価で購入しやすかったからでしょう。)




写真は9フィートと8.5フィートのダブルハンド・スピニング・ロッド。


SS603系です。


重量は330gと315g。


カーボロイ素材のトップガイドとクロームメッキの金属ガイド。


コルク素材の太いグリップ。


金属のジョイント。

実は、金属ジョイントのダブルハンド。スピニング竿を数年間前から探していまして、他社も含めて何度かチャンスがありましたが、ようやく手にしたのです。

(シングルハンドはよく見かけるのですが・・・・。)


ルアーウェイトの記載はありませんが、21g前後のスプーンや20~23号錘を投げるのに良さそう。


ブランクは薄茶色で、縦に濃い茶色の線が入っています。これは木製の釣り竿の時代を思わせる、ノスタルジックなデザインだったと思います。

(ただ、こういう色使いと作り込みは日本人好みではなさそうですね。)


ワンダーロッドは他には、白、黄色、淡緑などの製品がありました。







これはポリエステル樹脂を使用していたため、顔料を樹脂に混和でき。外部塗装が不要だったという証です。


(注)フライロッドの写真はエンブリヲフライシステムさんのブログからの借り物です。
http://ameblo.jp/embryofly/entry-11501234545.html


そういえば、日本では1970年代頃から、ポリエステル樹脂素材のグラス竿が鳴り物入りで宣伝されていました。


それ以前はフェノールやエポキシ樹脂でしたから、おそらくポリエステル樹脂によるグラス竿製造は特許として米国シェイクスピアが独占していて、特許の期限が切れたのは1970年代初頭だったのでしょう。


ポリエステル樹脂素材で他社が追随し始めたことと、1976年に強壮なアグリースティックの製造が始まった年代は重なりますから、シェイクスピアはまた一歩先んじたわけです。


アグリースティックの時に金属ジョイントが廃止されスリーブオーバーの継ぎに変わりました。カーボン素材優勢の中にあって、強壮なグラス素材の竿として生き残ったんです。


でも、シェイクスピアの製品は、日本ではB級どころかC級ブランドとして酷評するブログ記事が目立ちます。


見た目の仕上げやデザイン、高級ブランド志向の強い日本では、まあ仕方がないことでしょう。


今時のグラファイト素材やグラスなど高級な竿に比べれば、ワンダーロッドは肉厚で重く、鈍重なロッドアクションですからね。


でもそれが欠点ではなく美点でもあるわけで、グラス素材の弾かないチップはガーボンには無い味わいですし、食い込みが良かったり、折れにくいですから、サケ釣りあたりの太糸と大きなルアーを使う大物狙いや、岸壁での投げ釣り、コイ釣りには真価を発揮してくれると思っています。


さてこの2本の竿にはコード番号が書かれています。




9フィートは  DGM これは7410、 74年10月製造.。


8.5フィートは DGD これは747、74年7月製造です。


つまりロングセラーのワンダーロッド最終期のモノで、デザインは1960年代そのままの竿ですね。


このSS603は、実は、1967年から製造が始まったモデルなんです。


シェイクスピアのオールド物は竿もリールもこのアルファベットのコードが付いています。


これはデコーディングコードといわれ、アルファベットの文字に数字が割り当てられています。


A=0,B=9、C=8、D=7、E=6、F=5、G=4、H=3、I=2、J=1、K=12,L=11、M=10

(ちょっとした豆知識ですね。)


さて実釣りですが、9フィートはちょっと持ち重りしてスローな感じ、8.5フィートは持ち重りしませんし、シャープな感じでした。


ふと金属ジョイントを見比べると、9フィートと8.5フィート、どちらも同じモノです。



つまり、8.5バット+9トップ、9バット+8.5トップ、でも使えるんです。


8.5バット+9トップは極僅かにスローアクション、9バット+8.5トップは8.5ノーマルとほぼ同じ。


2本で4通り使えます。


8.5バット+9トップ、9バット+8.5トップ はどちらも全長が8.75フィートで揃います。サケ類とかソイ・アイナメをルアーで狙ったり、・・・・


あと、ちょい投げ釣りでカレイやカジカ、コイなどを2本セットで置き竿・・・しかも1950~60年代の超オールドスピニングリールを乗せて!!!。




オールド好きの僕にとっては、想像するだけでドキドキします。


ポンコチ竿とポンコチリールでも、そこに魚が居て、時合いがあって、適切にリグやルアーをプレゼントすれば、道具の新旧に関係なく釣れるのが魚釣りですから。


僕の住む所に居る魚が釣れればそれで良いのです。


僕はこういう歴史を持ったシェイクスピア・ワンダーロッドを卑下すること無く、

リスペクトして使っていきたいと思っています。
(ABUアトランティックのスピニングはなかなか手に入りませんしね。)


最近のシェイクスピアは米国の大企業の傘下となっていますが、英国、米国、豪州など、それぞれでご当地向けのロッドを販売していて、実に堅実な好印象を持ちます。


ただし自社製造ではなく中国製になっているようです。


英国シェイクスピアではコースフィッシングロッドやフライロッドが、なかなかにクラシカルで良いデザイン。投げ竿もあります。


実は、僕のサケ釣りに使うダブルハンドフライロッドも英国シェイクスピアの近年モデルでした。




そういえば、ワンダーロッド直系の後継、1980年代のアグリースティック、米国製8フィートのスピニングロッドが、あそこの某釣具店に、売れずに埃にまみれていたことを思い出しましたよ。



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6. Re:無題・・・アグリーは

>Fishboneさん

アグリースティックは今でも健在ですね。
頑丈でお子様でも安心ですね。

アグリーは、初期モデルのフライロッド9番、長いエキステンションバットの付いたモデル・・・・・・今でも使ってみたいです。
用途は、フライキャストではありませんけど。

5. 無題

シェークスピアのロッドは… うちにもありました!アグリースティックのベイトモデルが2本手元にあります。子どもが小さいころ、スピンキャストリールをつけて管理釣り場で使ってました。あの竿、子どもが乱暴にあつかっても折れたりしないから良いんですよね~

4. Re:ワンダーロッド

>エンブリヲフライシステムさん

写真を引用させていただき、ありがとうございます。

金属ジョイントのダブルハンドスピニングを探して数年経ちました。
その間、他メーカを手にするチャンスもありましたし、手に入りやすいアグリースティックも考えましたがが、どれも見送ってきまして、ようやくワンダーロッドに出会えました。

ワンダーロッドのフライ竿も興味津々です。

シェイクスピアは今でもメジャーだと思います。
米国、英国、豪州の現行ラインナップは、どれも実用的で、デザインも個性的ですね。

3. ワンダーロッド

お世話になります。拙い画像を引用頂きかえって申し訳ございません。
シェイクスピアが実はメジャーであり、素晴らしい技術を持ってかつて存在したこと。そしてアメリカーんなデザインに惹かれる者として今回は嬉しく思います。これからもうんちくのあるブログを楽しみにしております。

2. Re:シェイクスピアのロッド

>モアザンさん

インターナショナルは日本製で、デザインは英国ハーディーのコピーでしたが、安くて重宝しましたね。
僕も8.5ftを使っていたことがあります。

ワンダーロッドを使うのは初めてなんですよ。

1. シェイクスピアのロッド

安くて 重宝しました。
まだ手元にあるのがインターナショナルの10f ですが宝物です。
昔はイトウ釣師が使ってましたね。
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