スローアングラーズライフ ~atlantic night tales~ ABU CARDINAL 名前の考察・・ネーミングの妙 

ABU CARDINAL 名前の考察・・ネーミングの妙 

たわいもない与太話です。

写真は アブ カーディナル 4機種 77 66 44 33 の初期モデル



ABU CARDINAL は滑らかなウォームギヤを使ったスピニングリールの中でも一、二を争う傑作といえるでしょう。


(1974年 英国版カタログより)

最小モデル33は1970年代、それ以外は1960年代のモノ。

77は66と同じボディーで、スプール容量が30%弱 多い兄弟機。

スプール前面のプッシュボタン、44、66、77は先代ABU444と同じ丸型。

最後にリリースされた33は、後期の各モデルと同じ平らなプッシュボタンです。

スプールの素材、小型の33と44のスプールは始めから樹脂。

中型の66と77は金属で、後期に樹脂に変わります。恐らくコストダウンでしょう。



そしてABUには大型のスピニングがラインナップされたことがありません。

さて本題、今回はスペックや製造年代の話ではありません。

主題は“ネーミング(命名)の妙”です。

カーディナルを米国の赤い鳥、“ショウジョウコウカンチョウ(猩々紅冠鳥)”のカーディナルと思っている人もいますが、本当の語源はローマ・カトリック教会の職位、“枢機卿”。

枢機卿が身につける服が赤いので、赤い鳥をカーディナルと呼ぶようになったようです。

釣り具、ことリールには御大層な名前が多くて、アンバサダー(大使)とかミリオネラ(百万長者)とかプレジデント(大統領・社長・頭取)とか、マーキス(公爵)とかプリンセス(王女)・・・・

俗世間から離れて自然の中に身を置くフィッシングという趣味の道具の名前としては、個人的にはちょっと違和感があります。

(ステータスとか所有欲をくすぐるネーミングなのでしょうかね。)

Pennスピンフィッシャーのようにストレートだったり、ミッチェルのように番号だけのほうが、“けれんみ”がなくて好きです。

“外連味(けれんみ)”という言葉、もともと“正統でない、邪道”から転じて“奇抜な演出”、“はったり”の意味で使われています。

僕がブログ記事で“赤い5000番”とか“ABU7000番”と書いて“アンバサダー”を誇示しないのはそういう個人的な理由で、“堅牢で実直なモノ作り”にこそ“惚れている”からなんですね。



ブランド名とか製品名にステータスを感じたり、惚れているのではありません。

余談になりますが、大昔やっていたバスフィッシングで、フレッドアボーガスト社のプラグや、グディプロッド社のブランド“ゴールデンアイ”のプラグの数々に付された“遊び心あるネーミング”が好きです。

(本題から逸れるのでプラグルアー名を詳しくは書きません)

ローマ字(横文字)は片仮名や平仮名と同じ発音記号ですけど、横文字文化圏では言葉の意味を理解していても、日本では商品名としてしか捉えていない場合が多いでしょう。

そこで、考察・・。

ウィキなどによれば、
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CARDINALの語源は、“ドアのちょうつがい”を意味するラテン語“cardo”で、「中心、かなめになる働き」という意味から、「主要な・重要な」の意味になっていったらしいです。

そこから枢機卿という職位名、CARDINALと名付けたようですね。

後に、“枢機卿は真紅の衣をまとうことから、ヨーロッパ諸語では「カーディナル(枢機卿)」は「赤」の代名詞となった。”


(写真:wikiより引用)
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では”緑色の”スピニングにつけられたカーディナルは「赤」や「赤い鳥」ではなく「枢機卿」の意味?、それとも「主要な、重要な」の意味?

枢機卿はローマ法王を補佐する職位で、トップ、ボスではありません。

あくまでサポート役。

昔の中国とか日本で始まった、仏教の官職、僧と尼の管理監督者の職位で大僧正、正僧正、権僧正と3階級あるそうですから、枢機卿は、いわば正僧正。

つまりカーディナルというスピニングリールは大使とか社長とか百万長者より、一歩引いたネーミングなんですね。

アングラーへの信頼かつ権威ある”主要なサポート役”といったところでしょうか。

さしずめ日本なら、関東のD社で“正僧正77”、”大老66”とか、関西のS社で”関白44”、“大番頭33”とか。

カーディナルというネーミングを、欧米のアングラーが、「枢機卿の意味で」あるいは「主要なの意味」どちらで受け止めていたのか興味深いところです。

そして、大型のソルトウォーター・スピニングが無いことも興味深いですね。

スピニングは、市場としては米国より、内水面のコースフィッシングやサーモンフィッシングが盛んな英国を含む欧州市場を意識していたのかもしれません。

であれば、フライリールと同じく、スピニングは主役ではないものの、重要な補佐役ですし、米国とは釣りばかりか宗派的伝統の異なる欧州のアングラーには、“カーディナル”の名は理解しやすいネーミングだったのかもしれません。

そして、いわんとすることは、”緑色のカーディナル”は・・赤色で”高い地位”を示すカーディナルではなく、
自然豊かな緑の中で存在を誇示せず、環境に溶け込みながらも、枢機卿のように”要(かなめ)”となる働きをするリール・・・ではないかと思います。


(1960年代 ABUカタログ: Vintage Fishing Reels of Sweden より引用)

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(追記)
33や44は後に3,4と名称が変わり、製造を終え、以降”3”は何度か復刻のレプリカが国内販売されましたが、いろいろ不具合があったと聞きます。

2009年、日本の、とある釣り具商社が、ローズレッドの赤ボディー、黒のローターで”3”を限定生産で復刻したようです。

赤・黒・・これも、オシャレな色遣いですけどね。

・・・企画にあたって、なにか勘違いしているのではと、それなら名前も「カーディナルス サード 背番号3」にすれば「永遠に不滅です」なんていうキャッチコピーも使えてよかったのになんて、僕は思っちゃったりしています。

第一に優先すべき品質が落ちているのに、赤の色気で差別化して誘惑とは、

“外連味”あり過ぎ。“あざとい販売”だったとも思います。
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僕のアブ・カーディナルとの付き合いは、1970年代の少年時代から。

始めは渓流や湖のトラウト、ルアーフィッシングでした。

大型トラウトやカラフトマスのルアーフィッシングは、暫くご無沙汰していて、リールもお蔵入りしていたけれど、昨年のサーモンフィッシングで”66”が再デビューしたばかり。



今年は、渋い脇役として、久々に使い込んでみたいと思っています。



そういう訳で、新しい船出に向けて、カーディナルのネーミング・コンセプトを自分なりに考察した次第です。

ネーミングの妙・・カーディナルの与太話はこれで終了。

あとは実践あるのみ!



(ネーミングの妙・・・続編もありますがね。)


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2. Re:無題・・よろしくおねがいします

>Green Cherokeeさん
こちらこそ、よろしくお願いします。

今年、久々に使うにあたって、私見ですけどコンセプトを考えてみました。
なんとなく、謎が解けた感じです。

ABUのスピニング竿のネーミングも、昨年2月に考察して、記事を公開していますので、よろしければご覧ください。

身近に良い里川や自然あって遊べること、これが一番の幸せですね。

1. 無題

なみ平さん、初めまして。拙ブログへのコメント、ありがとうございました!!
Cardinalという名称をずっと以前から聞いておきながら、その意味を考えたことはなかったので、ウン十年を経て新鮮な感覚を得ることができました。ありがとうございました。
アンバサダー5000Cとか当時はかなり高価でしたし名前も大使だし・・・、ちょっと他のタックル(そんなに品数が無かったですが)とは次元が違うぞ的な存在感がありましたよね。ゴールドバージョンとかありましたしね。(^^ゞ
早速、拙ブログにリンク頂きありがとうございました。私もリンクさせて頂きますね!!
では、今後ともよろしくお願いします!!
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